車両の熱防御解析を加速して、設計プロセスの初期に問題を検出
自動車業界は、車両電動化や先進運転支援システム (ADAS) の導入など、破壊的な変化にさらされています。欧米の自動車OEMは今日、革新的な新技術で将来の競争に勝利すると同時に、現在の需要にも対応する必要があるため、コストの削減と設計時間の短縮を目指して、シミュレーション・ベースの設計手法を広く取り入れるようになってきました。実世界の動作条件をすばやく正確に捉える手法がなければ、成功は望めません。
熱防御と空気力学は、エネルギー使用を最小化して車両性能を改善するために必要な設計指標です。このウェビナーでは、OEMがシミュレーションを導入することでこれまで数週間かかっていた作業を数日にまで短縮できること、またコンピューター支援設計 (CAD) から結果までの完全なワークフローがわずか数時間にまで短縮可能であることを説明しています。
前半部分では、実際のワークフローに基づいてシミュレーションをセットアップし、実行する方法に触れ、後半部分では、OEMがそれぞれ、どのようにシミュレーションをカスタマイズして採り入れているのかを紹介します。
学べる内容:
- 熱防御ワークフローを実装する方法
- データ管理の自動化: 構築に費やす時間を減らして、解析に費やす時間を増やす
- オールインワンのマルチフィジックス: 複数のシステムの相互作用を単一のシミュレーションで網羅
- 開発工期の短縮: 反復作業を簡素化してイノベーションを加速
- 本番環境での熱防御
- 全体的なガイドラインで、工期を短縮し、強力な自動化を実現
- 数千にのぼるコンポーネントのインポートをカスタマイズして、情報伝達を最大化
- イベント駆動型の変更に基づいて、複雑なドライブ・サイクルを自動化
- ポスト処理を自動化して、より短い時間で問題を検出
- インターフェースをカスタマイズしてワークフローを簡素化し、プロセスではなく、設計作業そのものに専念できる環境をエンジニアに提供
講演者の紹介
Daniel Steen
Simcenter 3D流体解析センター・オブ・エクセレンス、ソリューション・コンサルタント
Daniel Steenは、Simcenter流体力学ソフトウェアを担当するソリューション・コンサルタントです。航空エンジニアリング分野でキャリアをスタートしたのち、2015年にCD-adapco (現シーメンス) に入社しました。以来、米国の大手自動車・重機メーカーを支援し、Simcenter STAR-CCM+を使用した車両の熱管理シミュレーションをサポートしています。
Frederick Ross
自動車/輸送機器向けSimcenterソリューション担当ディレクター
Frederick Rossは、1989年にCD-adapcoに入社しました。2016年に同社がシーメンスに買収された後は、培った豊富な経験を生かして、車両の熱防御、空気力学、乗員の熱快適性を解析するアプリケーションでお客様をサポートしています。開発プロセスに直接関与し、CADから結果収集までの仮想車両シミュレーションの自動化を実現してきました。現在は、Simcenter STAR-CCM+製品管理チームと協力して、社内プロセスの合理化を目指すお客様を支援しています。
Sunil Karri
プログラム・マネージャー
Sunil Karriは、シーメンスのエンジニアリングおよびコンサルティング・チームのプログラム・マネージャーとしての長年の経験を有し、空気力学、熱管理、多相流など、多岐にわたるCFDアプリケーションを専門としています。複数の自動車企業と緊密に協業して、戦略的工程表の策定を手掛け、さまざまな忠実度でのVTMシミュレーションを実現する支援をしてきました。お客様の拠点の生産性を加速するカスタム・ワークフロー・ソリューションを通して、VTMベストプラクティスの開発と、本番環境への実装を統括しています。カンサス大学で機械工学 (流体力学および数値手法専攻) の修士号を取得しました。