ゼロエミッション車への潮流のなかで、燃料電池は特に、繰り返し充電することなく長い航続距離を実現する必要がある商用車、バス、乗用車で、バッテリーの代替として導入されるようになっています。ところが、スタックとBoP (Balance of Plant) を車両に統合することは簡単ではありません。これには、さまざまに相互作用する物理特性やサブシステムが関与するため、最適な制御戦略と完璧に組み合わせて、高い信頼性と長寿命を確保しながら、必要な性能レベルと最小のエネルギー消費を実現しなければなりません。
この30分間のウェビナーでは、シーメンスのエキスパートとIFP Energies nouvellesのJules Sery氏が、マルチフィジックスのシステム・シミュレーション手法を使用して、空気/水素供給システム、水/熱管理システムと統合された燃料電池の動作を予測して理解を深める方法を説明しています。また、水素消費量と燃料電池システムの動作の結果を、Hyundai Nexoのダイナモメーター・テストベンチのデータと比較するシミュレーション機能も紹介します。さらに、既製のモデルとアプリケーション指向のツールを使用して、コンセプト段階から燃料電池スタックとBoPをシミュレーションし、サブシステムと制御設計、そして最後にコンポーネントの統合と制御のキャリブレーションを行う方法も解説しています。
このセッションでは、モデルベースの設計手法を使用して、より短い時間により良い設計の意思決定を下す方法を説明します。
電動化担当、製品マネージャー
Benoit Honelは、Simcenter Amesim製品の機能を、車両電動化の課題解決を進めるお客様向けに調整する作業に注力しています。熱力学エンジニアリングの博士号を取得し、1995年から複数領域横断型のシステム・シミュレーションを手掛けてきました。