世界全体の交通量が2016年から2035年の間に2倍になると予測されている現状で、回転翼機などの航空機は、CO2排出を急増させている原因として知られています。そこで航空業界は、2050年の排出、騒音、および性能の目標に取り組むための有望な方法として、ハイブリッド電力推進システムを検討しています。このウェビナーでは、ガスタービンを使ったハイブリッド電動推進システムと、化石燃料とガスによる推進システムを比較し、回転翼機の操作性と性能を評価および最適化するためにシステムシミュレーションを活用する方法を紹介します。
Ø 最初に、シーメンスPLMソフトウェアのOlivier Broca博士から、航空エンジンとガスタービンの装置やサブシステムからエンジン性能まで、モデリングとシミュレーションを行うSimcenter Amesimの機能についてご紹介します。
Ø 次に、クランフィールド大学のIoannis Roumeliotis博士から、Simcenter Amesimの統合型手法を使用して、シンプルな排熱回収を行うサイクルガスタービンエンジンを活用したパラレル電動ハイブリッド回転翼推進システムを評価した事例をお話しいただきます。 比較対象として、化石燃料とガスによるツインエンジンを搭載した中型ヘリコプターを使用しました。
Ioannis Roumeliotis博士について: クランフィールド大学のPropulsion Engineering Centreにおいてガスタービンの推進力および熱システム統合分野の講師を務める博士はこれまで、AEROTEST、TATEM、VIVACE、NEWAC、CRESCENDO (技術的責任者)、ECATS、DEMOS (CLEAN SKY 2)など15にのぼるEUのプロジェクトに携わっています。業界主催の8つのプロジェクトで、ガスタービンのシミュレーション、モデリング、モニタリング、および故障診断に関する研究にも参加しました。現在は、イノベートUKが助成するプロジェクトであるPIPS (Powerplant Integration with Platform Systems) の枠組みにおいて統合型熱管理システム分野で応用研究を進めるかたわら、クランフィールド大学とロールスロイスとの産学協同研究において、航空システム設計、統合、および性能評価を行うプロジェクトのガスタービンのシミュレーションを担当するほか、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアと共同で、ガスタービンのモデリングと統合型推進システムのシミュレーションを行っています。 これまでの研究に対して、2012年度のアメリカ機械学会Cycle Innovations Committeeが選出したBest Paper Awardなど、数々の賞を授与されました。
Olivier Broca博士について: 航空宇宙高等学院傘下の国立航空宇宙大学院大学 (フランス) でエネルギーシステムと流体力学の博士号を取得。 石油ガス業界や自動車業界を対象にした、フランスとEUのプロジェクトにおいて、テストと測定の研究に従事するほか、直近では航空宇宙業界のプロジェクト (CRESCENDOおよびTOICA) に参加した実績を持ち、現在は、Simcenter Amesimの航空宇宙防衛業界向け製品管理開発チームの責任者を務めています。